金属クロム焼結体(保護管)
金属クロムは、熱伝導性に富み、熱膨張係数が小さく、各種高温ガス(特に酸化性ガス)に対して、高い耐酸化性を示します。また、二酸化硫黄やメタンなどにおいても耐食性を示します。さらに、高温アルカリ中でも優れた耐食性を示す他、重油等を燃料とするボイラー等では、V2O5を含むスラグが系内で生成されますが、本環境下でも他の金属材料と比較し、格段の耐食性を示すとともに、セラミックス系材料でももたないような過酷な環境下において効果を発揮いたします。
金属クロムは、この様に優れた特性を持ちながら、塑性加工の難しい材料であり、構造材料として実用化された例がほとんどありませんでした。
当社では、高純度金属クロムの製造技術とセラミックスの成形技術として培ったスリップキャスティング法を駆使し、加工レスによる金属クロム焼結体の製品化を実現しました。
現在では、ごみ焼却炉における熱電対用保護管やボイラ部材などにご採用戴いております。
金属クロム焼結体の
製品情報
1998年からはスリップキャスト法による金属クロム製品の開発に着手し、ボイラ、ごみ焼却炉などの過酷な条件下で使用される部材(ノズル、熱電対保護管など)の製品化を実現しました。
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金属クロム保護管
ごみ焼却炉は近年、発ガン性物質であるダイオキシンを抑制するため、高温燃焼方式が採用されています。このため、炉内温度管理は非常に重要です。しかし、このような高温燃焼下(高温腐食環境)では従来使用していたセラミックス系、Ni/Cr(50/50)等の高耐熱・高耐食金属では短寿命となるという問題が出てきました。原因はエロージョン(腐食と磨耗)によるもので、これらに耐え得る材料が望まれていました。
当社ではスリップキャスティング法により”溶接継ぎ目のない純クロム製熱電対保護管”の製品化を実現し、現在多くのプラントメーカより引き合いをいただいています。試験導入戴いたプラントにおいては、国内最高評価をいただき、イニシャル、ランニング両コストともご満足戴いております。
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バーナーディフューザ
重油焚きボイラにおいては燃料中に含まれるV、S、NaなどがV2O5-Na2SO4系の油灰となり部材表面に付着・堆積し、部材を著しく酸化させるなどの”バナジウムアタック”による早期劣化が課題でした。
金属クロム製バーナーディフューザはバナジウムアタックによる短寿命を解決するために開発された製品です。
重油焚きボイラー
設置半年後の比較
- 金属クロム
- NiCr 50/50
右の写真は重油焚きボイラーに当該バーナディフューザを設置して半年後の状況です。従来のNiCr50/50に比べ格段の耐食性を示していることがわかります。
金属クロムは、熱伝導性に富み、熱膨張係数が小さく、各種高温ガス(特に酸化性ガス)に対して、高い耐酸化性を示すなど、優れた特性を持ちながら、塑性加工の難しい材料であり、構造材料として実用化された例がほとんどありませんでした。当社では高純度金属クロムの製造技術とセラミックスの成形技術として培ったスリップキャスティング法を駆使し、加工レスによる金属クロム焼結体の製品化を実現しました。
特性表
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- 純度
- 99.5%up
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- 嵩密度
- 6.7g/cm3以上
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- 曲げ強度
- 400MPa