合金鉄

多彩な取扱品目、
確かな調達力

日本重化学工業が取り扱っている合金鉄(フェロアロイ)の品種は、多岐にわたっています。当社の国内工場で生産している特殊合金鉄には窒化合金鉄、マンガン系合金鉄(粉末)があり、マンガン系/シリコン系/クロム・レアメタル系といった一般合金鉄は海外より安定的に調達しています。特にカルシウムシリコンは海外子会社、特殊フェロシリコンは海外企業との合弁で現地生産を行なっています。

合金鉄とは

合金鉄とは、鉄を生産する過程で必要な副原料です。
一般には聞き慣れない名称ですが、マンガン、クロム、シリコン、モリブデンなどの金属を鉄と結合させたもので、鉄に含まれる不純物の除去や鉄の耐熱性、耐食性、高張力性などを向上させます。特にステンレス鋼やばね鋼、線材などの特殊鋼には多種多様の合金鉄が添加されます。最近は省電力モーターやハイブリッドカー向けモーターの鉄心など、磁気特性が優れた鋼板などに特殊な合金鉄が添加されています。

シリコン系合金鉄

シリコン系合金鉄とは、鉄にシリコンを添加した合金で、主に製鉄の際に脱酸剤として使用されます。一般的なフェロシリコンの大半は中国などの国で生産されております。当社は、特殊フェロシリコン(高純度フェロシリコン)やカルシウムシリコンといった、フェロシリコンの中でも少し特殊なフェロシリコンのサプライヤーとして、広く認知されております。当社の扱う特殊フェロシリコンは、脱酸剤として使用されるというよりは、鉄に機能性を付加するために使用されます。
私たちが供給するシリコン系合金鉄は、ブラジルの水力発電で生み出されたクリーンな電力をメインに製造されており、国内の製鉄メーカーのCO2削減の一端を担っております。当社は、環境に配慮したシリコン系合金鉄の供給に努めております。

特殊フェロシリコン
(高純度フェロシリコン)

当社の南岩手工場で製造しておりましたが、1994年にブラジルの合弁会社であるSilbasa社に生産を移管し、今日に至ります。Silbasa社には、現在も当社から技術員を派遣し、製造技術や品質保証の役割を担っております。日本国内の製鉄会社向けに販売しており、高い評価を受けています。

カルシウムシリコン

1980年代に小国工場での生産から撤退。直後よりBozel社からの調達を開始し、国内の製鉄メーカーにカルシウムシリコンを供給してきました。Bozel社との取引関係は、その後も継続し、2011年に当社がBozel社の経営権を獲得し、現在に至っております。
Bozel社は、ブラジルでカルシウムシリコンの生産を行っております。ブラジル以外にフランスとアメリカに拠点を持ち、それぞれの国でカルシウムシリコンの販売や各種コアードワイヤーの生産を行っており、現地の製鉄メーカーに供給しています。

  • 合金鉄とは
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取扱品目

  • フェロマンガン
  • フェロニオブ
  • シリコマンガン
  • スーパーシリコン
  • フェロモリブデン
  • フェロシリコン
  • 燐鉄
  • フェロクロム
  • 金属マンガン
  • フェロボロン

合金鉄の製造拠点

高岡事業所

当社の合金鉄の製造は、
高岡事業所の合金鉄工場で行っています。

  • 窒化合金鉄の製造工程
    窒化合金鉄の製造工程窒化合金鉄の製造工程
  • マンガン系合金鉄粉末の製造工程
    マンガン系合金鉄粉末の製造工程マンガン系合金鉄粉末の製造工程

合金鉄事業の展開

当社の合金鉄事業は日本の鉄鋼産業の発展とともに成長を遂げてきました。しかし国内生産コストの上昇や原料を海外に依存する日本での生産は年々厳しくなってきたため、1990年代より海外移転を積極的に進めてきました。ブラジル、南アフリカ、ジンバブエ、中国など地下資源の豊富な国において、当社の技術と現地の安価な原料、電力などを融合させ、高品質、低価格な合金鉄を輸入する事業への転換を目指したものです。
現在では海外生産品はもちろん、一般の輸入合金鉄においても、現地の製造技術、品質管理などを把握し、確かなものを安定的に輸入することに努めています。
また海外合金鉄メーカーのコスト低減や品質向上に関する技術協力やコンサルティングも行っています。ただし、窒化合金鉄、合金鉄粉末など高度な技術を要する特殊な合金鉄は現在も国内(高岡事業所)で生産を継続しています。

  • Bozel Brasil社の電気炉Bozel Brasil社の電気炉
  • Bozel Brasil社での生産風景Bozel Brasil社での生産風景